レビトラの副作用と即効性

【レビトラとは】

1998年2月にアメリカでファイザー株式会社からバイアグラが発売された５年後の2002年３月にドイツのバイエル薬品が開発したED治療薬です。レビトラの開発には、バイエル薬品に加え、イギリスのグラクソ・スミスクライン株式会社、アメリカのメルクバイオファーマ株式会社が参加したそうです。（お薬を開発するのは大変なんですね！）

　日本国内では、2004年６月にレビトラ5㎎と10㎎の発売が開始され、2007年５月、20㎎の発売が開始されました。

しかし、ドイツのバイエル社から2021年10月発売中止が発表されました。その理由は、供給の安定性や製造コストの面から生産が難しくなったからです。
医薬品として重大な欠陥が見つかったり、健康リスクが起こったわけではありませんのでご心配なく！世界中から惜しまれながらも約18年の歴史に幕を降ろしました。

レビトラの販売中止に伴い、国内では、正規のレビトラのジェネリック医薬品（後発薬）は、東和薬品のバルデナフィル錠「トーワ」（10㎎、20㎎）、沢井製薬株式会社のバルデナフィル錠「サワイ」（10㎎、20㎎）、富士化学工業株式会社のバルデナフィル錠20㎎「FCI」（5㎎、10㎎、20㎎）のみです。　レビトラの特徴は「即効性」ですので、人気の高い医薬品ですね。

【バルデナフィルの有効成分】

バルデナフィル錠10㎎「サワイ」の１錠中の有効成分は、「バルデナフィル塩酸塩水和物」です。

有効成分以外にも添加物として含まれているものがあります。

・カルナウバロウ
・クエン酸トリエチル
・クロスポピドン
・軽質無水ケイ酸
・結晶セルロース
・酸化チタン
・三二酸化鉄
・ステアリン酸Mg
・ヒプロメロース

どれも錠剤を形作るための添加物で、医薬品添加物として認められている成分ですが、もしご自身に合わない成分があるようでしたら服用は控えたほうがいいでしょう。

【個人輸入は絶対やめましょう！】

前提として、日本国内では、厚生労働省より「医療用医薬品」として指定されていますので、処方箋がなければ購入できないように法的に規制されています。
今、インターネットで世界中のものが購入できますが、個人輸入であったり、外国の通販で手に入ったとしても、偽造品の可能性がとても高いので大変危険です。

　2016年にED治療薬を扱う４社（ファイザー株式会社、バイエル薬品株式会社、日本新薬株式会社、日本イーライリリー株式会社）が行った調査によると、バイアグラを含むED治療薬の３ブランドを扱う販売サイトで購入できる薬の約40％が偽造品だったそうです。

偽造品は、効果が認められていないばかりではなく、健康被害にあう可能性も高く、死亡例もあります。
万一、健康被害にあっても、販売サイトは個人輸入を代行しているだけですので、薬が偽造品でもその責任は、すべて購入した方の自己責任になります。

【保険適用になる？】

バイアグラと同様に、「不妊治療を目的とするED治療の場合のみ保険適用になります。もし、偽って保険適用で処方してもらうと、２～３ヶ月後に保険者から「医療費の案内」のはがきが来ますので、ご家族の方にわかってしまいますのでお勧めしません。

ちなみにED治療が保険適用になる条件が次のようになります。

・泌尿器科で５年以上の経験を有する医師から処方を受ける
・他の医療機関からの紹介で治療する場合、十分な情報共有がされている
・EDガイドラインに基づき、EDと診断されている
・本人もしくはパートナーのいずれかが６ヶ月以内に不妊治療を受けている
・１回の診療で処方される数量はタイミング法における１周期分に限り４錠以下である
・投与の目安を６ヶ月間とする
・処方箋の備考欄に保険診療である旨がきさいされている

【価格について】

バルデナフィルの薬価の例は次の通りです。

販売名	薬価
バルデナフィル錠（サワイ）10㎎	1,700円程度
バルデナフィル錠（サワイ）20㎎	1,800円程度
バルデナフィル錠（トーワ）10㎎	1,200円程度
バルデナフィル錠（トーワ）20㎎	1,300円程度
バルデナフィル錠（FCI）20㎎	1,200円程度

病院ごとに値段が違うのは、これにどれだけ付加価値をつけているかの違いでしょうか？
なお、10㎎と20㎎の違いは、効果の持続時間が異なります。20㎎の方がより強力な効果と長い持続時間が期待できます。

ただし、65歳以上の方や肝障害のある方は、副作用のリスクが高まるため10㎎が最高容量になっています。

【副作用】について

・ほてり
・頭痛
・鼻づまり
・消化不良
・視覚障害　　など

副作用がきつい場合は服用を控え、医師に相談してください。

【どこで手に入るのか】

バイアグラと同様で、「処方箋医１薬品」に分類されているので、医師の診察と処方箋が必要です。保険適用者以外は自由診療になります。今ではオンライン診療で手に入りますので、
日本国中の医療機関で入手可能ということになりますね。
ただし、残念なことに日本の医療機関でも偽薬を正規品と偽って処方しているところもありますので、注意が必要です。

20㎎を処方された場合、真ん中の凹凸のところで半分に割れますので、10㎎で飲んでも構いません。（念のため医師にご相談を）

【効果的な服用方法と注意点】

　「薬は食後」のイメージがあるかも知れませんが、バイアグラと同様に、「空腹時に飲む」が正解です。
バイアグラほど食事の影響は受けにくいですが、食事の直後に飲むと即効性が特徴の薬なのに、効果かでるまでに時間がかかってしまいます。
なぜかというと、食後に服用すると薬の成分が吸収されにくくなり、効果が落ちるんです。
飲むタイミングは、性行為の１時間前。空腹であれば20～30分前に服用しましょう。基本は水で服用しましょう。

水がない場合、お茶でも大丈夫ですが、脂肪分が含まれる飲み物、例えば、牛乳や乳製品の入ったコーヒーや紅茶などは薬の吸収を妨げる可能性がありますので避けた方が良いです。
逆に、グレープフルーツジュースで服用すると効果が効き過ぎて、「やったー！」ではなく、思わぬ副作用に襲われる可能性があります。
大変危険ですのでご注意ください。
グレープフルーツの皮を使ったジャム（あまり男性は召し上がりませんか…）にもお気をつけください。

噛み砕いて飲んでも早く効くことはありません。苦くて嫌な思いをするだけです。

作用時間は、10㎎で４時間、20㎎で８時間です。
１日の服用回数は１回までです。次に服用する時は、24時間空けてから服用しましょう。

そして一番大切なことが、バイアグラは、勃起した時にそれを補助してくれる薬です。

決して性的興奮作用や、性欲増進効果はありません。
また、ほどよい飲酒は効果を引き出すこともありますが、飲み過ぎるとせっかくの薬の効きが悪くなります。

【バルデナフィルを飲んではいけない方】

① バルデナフィルの成分に対して過敏症の既往歴のある方
② 硝酸剤あるいは一酸化窒素供与剤（ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等）を投与中の方（お薬手帳を確認しましょう。たくさんの種類があります）
③ 抗真菌薬（水虫の内服薬）を投与中の方
④ 心血管系障害をもつなどで性行為が不適当と考えられる方
⑤ 重度の肝機能障害のある方
⑥ 低血圧（最大血圧90mmHg未満、または最小血圧が50mmHg未満）の方
⑦ 高血圧（安静時最大血圧170mmHg以上、または最小血圧100mmHg以上）で治療を受けていない方
⑧ 脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴がある方
⑨ 網膜色素変性症（進行性の夜盲症）と診断された方

医師と相談し慎重に判断してください。方法は他にもありますので…

さて、今回はバイアグラを掘り下げてみました。次はシアリスをご紹介いたしますね。

著：相徳かおり