糖尿病とは、「尿に糖が混じる病気」のような病名ですが、そうではありません。
体内で唯一血糖値を下げることができるホルモンである「インスリン」が少なくなったり、その働きが悪くなることで、血液の中の糖分が多い、いわゆる「高血糖」状態が長く続いてしまう病気です。
ほとんどの場合、症状が見過ごされてゆっくりと進行していく一方で、心筋梗塞や脳梗塞といった、重大な合併症を起こすことがあります。
また、陰茎の毛細血管にも損傷を起こすことがあり、これが勃起不全の主な原因となります。
では、どのような方が糖尿病になりやすいかというと、
① 血縁者に糖尿病の人がいる
② 血縁者に肥満、脳卒中、心臓病(狭心症・心筋梗塞)の人がいる
③ 甘いものや脂肪の多いものを好んで食べる
④ 車ばかり乗って歩くことが少なく運動不足
⑤ 外食が多い
⑥ 太っている(過去に太っていた)
⑦ アルコールをよく飲む
⑧ ストレスの多い生活をしている
こういったところでしょうか。
皆さん、健康診断を年に1回受けておられるかと思いますが、健診結果のどこを見ればいいのかお伝え致しましょう。
大きく2つの数値を確認してください。
基準範囲 | 高値 | |
血糖値(空腹時) | 99mg/dl以下 | 100 mg/dl以上 |
HbA1c | 4.7~5.5% | 5.6%以上 |
血糖値が高いと疑われる病気には、糖尿病を始め、膵臓(すいぞう)腫瘍、甲状腺機能亢進症などがあります。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、血液中のブドウ糖(血糖)と血液の中で酸素やブドウ糖を細胞に運ぶ役割である細胞・赤血球の中の成分ヘモグロビン(赤い色素の成分)が結合したもので、HbA1c値を調べると過去1~2ヶ月の血糖値の平均がわかります。
血糖値が高いと疑われる病気には、糖尿病を始め、膵臓(すいぞう)腫瘍、甲状腺機能亢進症などがあります。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、血液中のブドウ糖(血糖)と血液の中で酸素やブドウ糖を細胞に運ぶ役割である細胞・赤血球の中の成分ヘモグロビン(赤い色素の成分)が結合したもので、HbA1c値を調べると過去1~2ヶ月の血糖値の平均がわかります。
なぜ、血液の糖分が多いことが悪いことなのか、というと、「血管を傷つけてしまう」からです。傷ついたところに、コレステロールなどの「プラーク(ヘドロの塊のようなもの)」ができます(動脈硬化)。プラークはもろいので、破裂してしまうと、脳梗塞や心筋梗塞が起こる可能性が高くなります。
細い血管が傷つくと、眼の網膜症や腎障害、神経障害、勃起障害が起こる可能性が高まります。
ちなみに、血管の大きさがどれくらいかというと、
内径動脈(首あたりの動脈) | 直径約5~6㎜ |
冠動脈(心臓の動脈) | 直径約3~4㎜ |
陰茎動脈 | 直径1~2㎜ |
動脈硬化の影響は、陰頸動脈などの細かい血管から現れると考えられており、EDは心血管疾患の重要な予測マーカーになることがわかっています。
さて、米国の研究グループがこのほど、糖尿病の男性では勃起障害を発症する割合が、糖尿病でない男性の2~3倍に上がるとの調査結果を報告しました。
日本でも糖尿病の方のED罹患者を調べたところ、糖尿病の方は、2人に1人はED有病者であり、糖尿病のない人は、4人に1人であることが判明し、糖尿病になるとEDのリスクが2倍になることがわかりました。
糖尿病の方がEDを併発しやすい理由は、
① 血流が悪くなるから
陰茎の動脈は細く、特に動脈硬化の影響を受けやすい傾向があるからです。
② 陰茎に刺激が伝わりにくくなるから
勃起には自律神経が関わっています。神経障害起きると性的な刺激や興奮が陰茎に知多割りにくくかるからです。
③ 海綿体の機能が低下するから
性的刺激を受けて産生された一酸化窒素(NO)が海綿体を弛緩させ、海綿体に血液が充満して勃起が起こるわけですが、糖尿病になると、弛緩に必要なNOが十分に産生されなくなります。
以上のようになります。
今まで以上に健診結果を注意して確認したくなられたのではないでしょうか?
では!糖尿病にならないようにするためには、どうすればいいのか、です。
食生活を整えましょう
① 適切なカロリーとバランスの良い食事を
② 飲酒はほどほどに
③ 朝食は食べて、夕食は控えめに
④ 野菜を先に食べ、食事はゆっくり良く噛んで、腹八分目に
体を動かそう
① 歩ける距離は意識的に歩きましょう
② 休日は掃除や庭仕事など積極的に
③ できるだけ階段を利用する
④ 近所を散歩してみましょう
ストレスをためない
① ぬるめのお風呂にゆっくりつかりましょう
② 友人と会ったり外出したり、自分にあったストレス発散を
③ ツライ時は無理せず周りの人や専門家に相談を
④ 夜更かしをせずに、ぐっすり眠りましょう
適正体重を保ちましょう
① 週に1回は体重計に乗りましょう
② BMI25以上は肥満です
③ 肥満は30代から急激に増加します
④ 20代のうちから生活習慣に気をつけましょう
テレビをつけるとグルメ番組ばかりで、「食べずにはいられない!」ですよね。
運動もしなくても生きていけるので、面倒ですよね。でも!今は人生80年時代。
90歳でも元気に性生活を満喫されておられる方もいらっしゃいます。
皆さんも、できることから始めましょう!
著:相徳かおり