男性機能回復に効果的な栄養素はまだあります。
まず、カルニチンをご紹介しましょう。
ラム肉に含まれるカルニチン
カルニチンとは、アミノ酸由来の物質で、身体のほぼすべての細胞に存在します。カルニチンという名前は、肉に含まれている物質であることから、ラテン語で肉を意味する「carnus」に由来します。
身体の中で大きな役割は、エネルギーを作る時に重要な役割を果たしています。カルニチンは長鎖脂肪酸をミトコンドリア内に運搬し、酸化(燃焼)することでエネルギーを作っています。
さらにカルニチンは作られた有毒な物質をミトコンドリアの外に運び出し、蓄積するのを防いでいます。
こういった重要な役割を担っていることから、カルニチンは骨格筋(腕の筋肉や脚の筋肉など)や心筋に多く存在しています。
では、男性機能向上に対する効果は、男性ホルモンの一つテストステロンの分泌を増やす効果があります。
どのような食べ物に多く含まれているのでしょうか。
【食品100g中に含まれるカルニチン含有量(mg)】
ラム肉 | 190 |
牛肉 | 143 |
鹿肉 | 117.4 |
豚肉 | 25 |
鶏肉 | 13 |
魚肉 | 3~10 |
卵 | 0.8 |
マッシュルーム | 2.6 |
にんじん | 0.6 |
パン | 0.4 |
米 | 0.3 |
バナナ | 0.1 |
トマト | 0.1 |
カルニチンの1日当たりの推奨上限摂取量は1000mgです。バランス良く3食召し上がっていれば、1日当たり約60~180mg摂取していると言われています。
過剰に摂取した場合(3g以上)、吐き気、嘔吐、腹部痙攣、下痢、「生臭い」体臭などの副作用を引き起こす場合がありますのでご注意ください。
サプリメントも各社から出ていますので、摂取不足を感じておられる方は利用するのも良いかもしれません。選ぶ基準はノンケミカルのものをチョイスしてください。
にんにく成分のアリシン
次に、アリシンをご紹介しましょう。
アリシンとは、イオウを含むアイリンという成分が分解される時に生じるにんにくや玉ねぎなどに含まれる刺激的な香気成分のことです。
なんと「天然の抗生物質」と呼ばれるほど、身体にとって様々な良い影響があります。
アリシンは、1944年にアメリカの科学者・カバリトとベイリーによって発見されました。
彼らは、にんにくに無臭のイオウ化合物であるアリインがあることを発見し、ニンニクを切ったりすりおろしたりすることによって、アリシンが発生すること、またアリシンに抗菌作用があることも解明しました。
1951年には、スイスのノーベル賞科学者・ストールとシーベックによって、アリインが酵素のアリナーゼによって分解されることで、アリシンができることが発見されました。研究者の皆様には、感謝ですね!
の中で、男性機能に対しては、アリシンはビタミンBと結合することで「アリチアミン」になり、男性ホルモンの分泌を促す効果があります。
では、アリシンを多く含む食品をご紹介しましょう。
食品名 | 含有量(100g中) |
にんにく | アリイン394mg、アリシン230mg(※1) |
玉ねぎ | データなし |
長ねぎ | データなし |
あさつき | データなし |
にら | データなし |
らっきょう | データなし |
アリシンを含む食品は上記の表の通りですが、にんにく以外の食材に関しては部位によってアリシンの含有量が不安定なため、詳細なデータは見つかりませんでした。
もしにんにくを購入されるのでしたら産地の品質のいいにんにくをお取り寄せください!
黒にんにくもおすすめです!
岡崎商店さま(岡崎屋公式)
にんにくに含まれるアリシンおよびアリインの量についても、食品医薬品安全評価分析センターによる別の分析(※1)では、アリイン518mg・アリシン17mgとするものがあるなど、品種によってかなりばらつきがあるようですので、あくまでも参考値としてください。
ちなみに、アリシンは空気に触れた状態で時間を置くと効果が失われてしまうため、調理済みのきざみにんにくやチューブにんにくからアリシンを摂取するのは基本的に難しいでしょう。
アリシンは、水に溶けやすく熱に弱い性質があります。また、細胞が壊れることで発生するので、細かく刻んだり、すり潰したりして、薬味など生のままで食べる方が効果的です。
また、食べ過ぎると、胃腸の不調、胃痛、頭痛、めまい、発汗の増加などの症状を引き起こします。
アリシンのサプリメントも各社から販売されています。選ぶ基準は、ノンケミカルであることです。
著:相徳かおり