男性機能を回復したい!と思っておられる方は、亜鉛をサプリメントで摂取しているという方も多いかと思います。
そもそも、亜鉛は、どうして男性機能回復に良いのでしょうか?
亜鉛を多く含む代表的な牡蠣
亜鉛とは、体に必要不可欠なものの、体内では作ることができない「必須微量ミネラル」の一種です。
成人の体内に2~4g含まれており、ほとんどが筋肉や骨中に含まれますが、歯、皮膚、肝臓、膵臓、前立腺などの多くの臓器に存在します。
主な働きは、味覚を感じる「味蕾(みらい)」の細胞の新陳代謝に関与しています。また、200種類以上の酵素の構成や酵素反応の活性化、ホルモンの合成や分泌の調整、DNA合成、タンパク質の合成、免疫反応の調整などに作用し、体の成長と維持に必要な栄養素です。
身体に対して具体的には以下のように働きます。
・身体の成長や発育をサポートする
・髪の毛や皮膚の健康を保つ
・ビタミンAの代謝を促進し、抗酸化作用を高める
・風邪、感染症を防ぐ
・神経伝達物質を生成し、うつ状態を緩和する
・生殖機能を改善する
一日に必要な摂取量(目安)は、年齢、性別によって異なります。
男性 | 女性 | |
18~29歳 | 7.0mg | 6.0mg |
30~69歳 | 7.5mg | 6.5mg |
厚生労働省が2019年(令和元年)に発表した国民の健康・栄養調査報告によると、亜鉛の摂取量の平均は推奨量にほぼ近い状態ではあります。しかし、無理なダイエットやなどで栄養不足の状態が続いたり、食事の栄養バランスが偏っていたりすると、亜鉛不足になる可能性が考えられます。また、高齢になるほど食が細くなることから、高齢者の方には特に亜鉛不足に注意が必要です。
〈亜鉛を多く含む食品〉
魚介類 | 牡蠣 うなぎ蒲焼 しらす干し カタクチイワシ イワシ サバ アジ たらこ ホタテ しじみ |
藻類 | ワカメ 海苔 |
豆類 | 納豆 木綿豆腐 油揚げ |
肉類 | 牛肉赤身 鶏肉 豚レバー |
種実類 | アーモンド カシューナッツ 落花生 カボチャの種 ごま |
乳製品 | チーズ 卵(卵黄) |
野菜類 | 大葉 切り干し大根 枝豆 たけのこ |
その他 | しいたけ |
亜鉛を摂取する時のポイントは、クエン酸やビタミンC、動物性タンパク質と一緒に摂ることで摂取効率が上昇するとされています。
クエン酸は亜鉛をコーティングする働きをもち、ビタミンCはクエン酸の働きをサポートします。
ビタミンCは柑橘系の果物に豊富に含まれていますので、食事に取り入れると良いでしょう。
ただし、加熱するとビタミンCが破壊されるため、できるだけ生食での摂取が推奨されます。
一方で、カフェインやポリフェノール(タンニン等)を含む飲料(コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、ココア、コーラ等)や加工食品に多く含まれているポリリン酸は亜鉛の吸収を妨げることがあるので注意が必要です。
また、アルコールによって亜鉛の排出量が増加するため、飲酒量が多い方は気をつけましょう。
さて、男性機能回復に対しては、男性ホルモンの一つテストステロンの産生量を増やすことができます。
どうしても、食事で補えない場合は、サプリメントで摂取するのも一つの手段だと思います。
たくさんの会社から亜鉛のサプリメントが出ていますが、選ぶポイントは、ノンケミカル(化学物質が入っていない)ものを選びましょう。
ただし、即効性があるわけではありません。だいたい3ヶ月くらい継続することが推奨されています。亜鉛のサプリメントは、水か、ぬるま湯で、クエン酸やビタミンCを含むレモン水で飲むのもお勧めです。
亜鉛を食事から摂る分には、過剰にとりすぎる可能性は低いですが、サプリメントなどで成人男性が40㎎を超えて過剰摂取した場合、吐き気、嘔吐、食欲不振、胃痙攣、下痢、頭痛など「亜鉛中毒」の症状がみられます。
さらに長期にわたり亜鉛を過剰摂取すると、体内の銅の減少、免疫低下、HDL(善玉)コレステロールの減少といった問題がおこります。くれぐれも取り過ぎには注意が必要です。
著:相徳かおり